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明代 子守妻の謡

2012,11

【訳】
『中国美人伝』陳舜臣著(2004年、新潮社) よりそのまま引用※

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十八娘にお誕生のご亭主

毎日毎晩抱いて寝る

夜なかにお乳欲しがれば

ぴしゃぴしゃ頭ぶって言ってやる

あたしゃお前のかみさんだよお袋じゃない

お前の親があたしによくしてくれなきゃ

ここから蹴とばしてあげるから

上記の小説の中で紹介されていた、明代の民間の歌謡だそう。

名のある詩人の詩ではなく、民間で歌われていた風刺歌のようで、
残念ながら出典を探せずそのまま使わせていただきました。


いつの時代もお金もちはたくさんの妾を自宅に囲っていますが
明代では、畜妾ができる階層は、息子が産まれると若い子守女を入れて
赤ん坊の乳母 兼 性の手ほどきをする妾として家に置いていました。
もちろんこの女性は坊やよりもずっと年嵩なので、坊やが性のノウハウを学び
大人になった暁には、他所からきちんとした正妻を迎えることになるのです。

有名な『金瓶梅』などでもわかるように、この時代、女性にとっても
囲ってくれる男性は一つの「就職先」であり、主人が死んだ後は
すぐに次の愛人を探すといったように、女性たちが逞しく行きた時代でもありました。

纏足でガチガチに足を固められ、妻としての貞節を厳しく求められる一方で
こういった風習の中で生きていた明代の女性たち。
この歌を読んだとき、そんな逞しさを持ち合わせた
蓮っ葉な十八娘がありありと浮かんだのです。

それこそ歌謡のチカラとでもいうのでしょうか。

音についても
シーパートゥオタァチェジョウソエラン
メイティエンメイワンバオシャンチュアン...
なんだか軽快に口ずさめそうだな~と思いませんか?
ウォーシーニーチーブーシーニーニャン
のくだりはしばらく頭に残ってしまって独り言が止まりませんでした(笑)




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