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纏足歩行形容の代名詞ともなった小足の美女
潘玉奴

2009,7



潘玉奴(あるいは潘玉児)は南朝齊の6代皇帝、暴君として有名な東昏侯(蕭宝巻)の貴妃で
小足に対して激しい美意識と性的観念を持つ中国文化の先駆けともいわれる女性です。

潘玉奴は小足の美女として有名で、蕭宝巻は潘玉奴を寵愛するあまり
宮殿の歩道に金で作った蓮を敷き詰め、その上を歩かせて、その様を楽しんだといわれています。

暴君であった蕭宝巻は、潘玉奴を寵愛することでいよいよ国政を顧みなくなった末に国は乱れ
最後には二人共に反乱軍に捕らえられ、縊り殺されました。





中国で女性が美しく歩く様を「蓮花を生じるさせるように歩く」(『歩歩生蓮花』)というのは
彼女の故事に由来するものであり、以後、美しい足で歩く女性の様を“金蓮歩”というのもここに端を発しています。

千年に及ぶ中国独自の怪文化・纏足は、この時代より更に下ること五百年ほど経った、五代~宋の間に
実際の施術として行われるようになりますが、この故事が纏足歩行の理想型として受け止められています。

また、後世の人気小説『水滸伝』や『金瓶梅』に登場する潘金蓮は、纏足美女の代名詞ともいえる女性ですが
名前から分かるように、それもこの故事に基づいています。


殷の妲己のように、彼女自身が進んで殺戮を好んだということではないものの、
皇帝の寵愛をほしいままにし、贅を尽くして国を乱したとされ最後は縊り殺されるという運命は、
奇妙なほど、後の楊貴妃と似た人生といえます。
が、彼女を寵愛した皇帝が、暴君を絵に描いたような昏君(バカ殿)だったということが
一層彼女を暗く際立たせ、どこか悪女としての印象を受けます。

中国の美女の中ではマイナーな部類に入るのでしょうが、足を性愛対象とするという独自の
中国風俗を体現した傾国の美女の一人という点では、もっと名が知られてもいい女性です。





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