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建春門院 平滋子

2014,3


文様がつぶれちゃったので拡大バージョン


後白河院の寵妃。平清盛の妻となった時子の異母妹で高倉天皇の生母。
後白河院の姉の上西門院に仕えていたが、寵愛されて高倉帝を生み、
国母 そして女院にまで登りつめた女性。

美貌と聡明さから後白河院の寵愛一身に受けて並びない権勢を得、
姪に当たる徳子(後の建礼門院)を高倉天皇の皇后として迎え、
平家一門の繁栄を支えました。
いわば天皇家と平家を繋ぐ紐帯となった女性で、彼女の死によって
平家の隆盛は終焉へと繋がってゆきます。



絢爛で雅やかな平安末の院政期においてなお
この人ほど輝きに満ちた生涯を送った女性はいないでしょう。
熟しきった時代に満開の花を咲かせた建春門院は、歴代の后妃の中で
最も幸運に恵まれた女性といわれたほどです。

まばゆい光の中に、微笑みながら悠然と そして凛と立っている…
そんな私的イメージを絵にしてみました。

ちなみに、唐衣は白小葵文に鳳凰上文の二倍織物で、現存する最古の装束で
鶴岡八幡宮に伝わる御神宝だそうです(小葵紋はちょっとうまく写し取れなかったけど)
鶴岡八幡宮といえば言わずと知れた、平氏の因縁の敵方、源氏ゆかりの場所。
そんな御神宝の柄を平氏の滋子に着させるのはどうかと思ったのですが、
源氏の文というわけではないようなので、当時から着られていた格式ある
有職文なのだろう…ということで描いてみました。

後白河院の時代は装束が最も豪華な時代だったといわれるそうで
唐衣につけている五色の組紐については、リンクページにも貼らせていただいている
『風俗博物館』様の考証を参照にさせていただきました。



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